F先からの手紙

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2012年11月14日
 動的平衡
 人は食べなければ生きていけない。それは呼吸と等しく、いのちの仕組みに組み込まれたものである。
 されに、その仕組みとは、いのちを刷新する弛(ゆる)みない営みである。そのことを福岡伸一さんは動的平衡と呼んでいる。動的平衡とは「私たちが食べた食べ物の分子は瞬く間に全身に散らばり、一時緩(ゆる)くそこに留まり、次の瞬間には身体から抜け出していく。つまり私たちの身体は流れの中に成り立っている。」ことを指した言葉である。
 この、当たり前であって、当たり前ではない事実をしみじみと我が身に当て省みてみよう。
 一年365日、10年で1万956回。なんらかの手作りで食をまかなった人と、間に合わせですませた人の血液、血管、あらゆる細胞、骨の組織などは全く異なる。異ならずして、どうしようかというほどの差である。
 手作りの大切さはわかっている。でも忙しくてできない。「時がきたらやってみせる」と考えて暮らしている人がなんと多いことだろうか。食を人の手にゆだねて、ないがしろにしてはいないだろうか。

 「食べる」ことを根本から考えてみよう。そして、食を自分の手元に取り戻そう。