F先からの手紙

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2013年1月30日
 心根(こころね)と冬萌(ふゆもえ)
 心を土壌に見立てる発想は農耕民族の日本人らしいですね。

 心根は時には本性をさしたり、根性や気だてをさしたりしますが、どれも心の深い部分のことです。
 植物は、根っこさえ枯れなければ、いつか芽を出し、花を咲かせたり、実を結んだりすることができます。

 人の心も同じではないでしょうか。

 心にも花が咲きます。そして枯れてしまうこともあります。
 そんな時でも、根だけは枯らさないように、土を耕したり、肥やしをあげたりすることが大切なのですね。
 下へ下へと丈夫な根を伸ばせば、今度はきっと前よりもすばらしい花が咲くことでしょう。

 さて、枯れ木のように見える幹や枝にも、よく見るともう新芽が用意されていることに気づくかもしれません。冬に草の芽や木の芽がわずかに萌え出していることを、冬萌と呼ぶそうです。
 落葉樹の場合、本当は葉を落とした後、ちゃんと次の準備をしていて、冬を越すのですね。冬眠する動物たちとよく似ています。

 春になると、突然、芽をふき、花を咲かせるような印象を受けますが、そうではないのです。
 
 もうすぐ、2月4日。立春です。立春とは、外はまだまだ寒いけれど、木々たちの暦にも、ちゃんと記されているようです。

 固くちぢこまって、冬の寒さにじっと耐えている小さな芽。
 
 あなたの心の中にも、ささやかな冬萌がのぞいていませんか?